岳伸流暗記術はこの記事で最後になります。
最後はちょっと人間の不思議な話。そして、人間の潜在能力、底力について少し話をしましょう。
高速道路を車で運転したり、車に乗っていて外を眺めていた経験のある人は多いと思います。その時のことを思い出してください。
高速道路を降りると、50キロ、60キロにも関わらず、とても遅く感じるものです。同じ速度で走っていても、全く違う感覚を人間は感じるのです。
「あなたは、速読をしたことがありますか?」実際に読めないほど、高速でページをめくったり、何行も同時読みをしたり、脳にむちゃくちゃな負荷をかけるのです。すると、その後、普通に読んでみると読書スピードが上がっているんですね。それほど意識しなくても目も勝手に速く進んでいきます。
「あなたは、速耳をした事がありますか?」録画していたテレビ、オーディオブックで2倍速や3倍速にすることが出来るものがあります。しばらく、そのスピードで聞いていると慣れてきて、元に戻したときはスローで読み上げている感じます。
人間の脳は無茶な負荷だとしても、しばらく続けていればそれに合わせようとします。これはつまりその無茶な負荷に合わせて、脳の処理スピードが上がっているということなのです。そして、人間はさらにそれを続けていけば、それが当たり前のようになり、以前の能力の限界を超えていきます。
勉強も同じです。いつもダラダラしていては、暗記術で速く大量に情報を覚えられないばかりか、脳が情報を速く処理する力が付きません。常に速くたくさんの情報を覚えることを意識して学習に臨めば、脳はそれに合わせて発達していくのです。
勉強において、「試験は暗記が9割」と言う本が出版されるほど、暗記の能力はとても重要な要素であることは間違いありません。常に短い時間で覚えることを意識して勉強を行っている人と行っていない人では、脳の「ある部分」に差が出来てしまいます。
それは、短期記憶を司る「海馬」と言う部分です。(ちなみに短期記憶は海馬に、長期記憶は大脳新皮質または側頭葉に蓄えられると言われています。)
勉強法の本を読んでいると高学歴の人達は、幼いころから効率的な勉強法に興味がある人が多いのに気がつきます。また、私は田川高校に通っていたとき、とてつもなく速く物事を覚える能力を持った人達がたくさんいました。おそらく、彼らは勉強法を知っているだけでなく、短い時間で記憶する事を常に実践してきたから脳がそれに合わせて、大きくなっていったのだと思っています。
脳を使う事で活性化された部分は血流量が増えると言われています。海馬(短期記憶)をフルに使う暗記術を行う事で、血流量が増え大きくなったとしても不思議ではありません。実際に、記憶を良く使う職業(タクシードライバーなど)の人達の海馬は大きいというデータもあります。これが事実だとすれば、トレーニング次第で後天的に脳を大きくする事が出来ると言う事になります。
私が田川高校に通っていたとき、ある学校の先生が「東大の中でも医学部は別格。あそこに合格できるのは人間じゃない。あいつらは宇宙人だ。次元が違う」と言っていたのを聞いた覚えがあります。それから、「頭の出来が違う」とかはしょっちゅう聞きますね。本当に脳の大きさや処理能力が全く違うのだと思います。
私たち一般人は短距離走でボルトに勝つ事は絶対に出来ません。人類最速なので、もちろん国の代表選手ですら全くかないません。
もしかしたら、脳も鍛えれば、筋肉と同じように大きくなるのではないでしょうか?それが事実なら、勉強においてもボルトのような存在の人達がいてもおかしくありません。そんな人達に、どれだけ勉強法を学び知識を増やしたところで、テクニックだけで勝てるはずもありません。
ただ、知っておいて貰いたいことがあります。それは、ボルトが「生まれつき世界最速の人類では無い」と言う事です。食事やトレーニングがボルトを世界最速にしたのです。そして、それらを実現する周りの環境があったからこそでしょう。
短距離走で今よりももっと速く走りたければ、今の限界のスピードで走る事を繰り返さなければなりません。いくら、量を走ってもゆっくり走っていたのでは、絶対に速くなることはありえません。
今後、勉強するときは意識しましょう・・・。
常に「最速で覚える」のだと。
何かを覚えるときこそ、「五感を断ち、目を瞑れ!!」
暗記をするときは「超・超・超高速回転だ。常に限界に挑戦せよ」
そうすればきっと、キミも「勉強界のボルト」になれる!
もっと考察 脳トレの話
これから話すのはピアノを否定しているわけではありません。ピアノはもちろん音楽全般、素晴らしいものだと思います。ただ、勉強が出来る様になるというのは違うんじゃないかと言う話です。それを踏まえて読んでください。
最近の子ども達はおそらくメディアの影響で「頭が良くなる」という事でピアノをしている子が多いように感じます。入塾してくる生徒に結構多いのです。
理由が音楽家を目指しているとか、ストレス解消になるとか、趣味とかならいいのですが・・・頭が良くなるからという理由でするのは方法が間違っていると思います。
英会話をやっていたり、塾に通っていた子の方が、勉強では圧倒的にできます。
ちょっと、ボルトの話に戻るのですが、短距離走では人類最速で絶対に適わないかもしれませんが長距離走なら本格的な長距離のトレーニングを受ければ、もしかしたら勝てるかもしれません。
以前、テレビでやっていたのですが、短距離の金メダリスト。しかも、伝説的な世界記録をたたき出した人物です。彼と長距離で勝負するという企画がありました。現役の長距離選手にはもちろんハンデがあります。記憶は確かではないのですが、小学生や中学生、それから芸能人に至るまで、いろいろな人が参加していました。もしかしたら、この番組にピンと来た人もいるかもしれません。
そして、その勝負の結果は・・・短距離の金メダリストはぶっちぎりで最下位だったのです。もう、最後のほうは走れそうにもありませんでした。
脳トレも目的にあったものでなければ、あまり意味がありません。短期記憶を鍛えるためには海馬を使わなければなりません。ピアノを弾くことは、確かに頭を使います。手の指5本全てを音符に合わせて高速に動かすことは、脳にとても負荷をかけるでしょう。脳の処理スピードもピアノに関してはどんどん上がっていくはずです。しかし、記憶を繰り返しているわけではありません。海馬とは全く違うところが鍛えられているのではないでしょうか?
僕ははピアノをした事がないので、勉強に役立たないという感覚を感じたことはありません。(ピアノをやっている生徒は口をそろえて言います。意味が無いと・・・。本人は自覚しているようです。)
しかし、ブラインドタッチで高速タイピングならできます。キーボードのキーもかなりの数があります。shiftキーも合わせれば、ピアノの鍵盤に近い数になると思います。
タイピングソフトのゲームがあるのですが、はまるとなかなか止めることが出来ないくらい熱中してしまいます。ピアノは楽譜に応じて、いつも音符やリズムは同じですが、タイピングでは何の単語や文章が出てくるか分からないためその度に、打つキーを判断しなければなりません。私は出来ませんが、タイピングの速い人なら、テレビの会話を全て打てるような人もいるそうです。
タイピングは、現代の生活では必ず役に立つスキルとなっています。文章を作成するとき、何かを調べるとき、計算をするとき、(私なら)プログラミングをするとき、常に高速でタイピングしているのです。しかも、文章を書くときには、内容を考えながらタイピングするためかなり頭を使うと思います。
そんなタイピングですが、タイピングソフトでどれだけ速く打てるようになったとしても、勉強ができるようになる(頭が良くなる)と思ったことは一度もありません(勉強と直接関係のある内容であれば話は別ですが・・・)。むしろ、熱中しすぎて、早く止めなければ時間がもったいないと思うくらいです。今こうして、文章を書いているときでもタイピングをしています。私の生活の大部分がタイピングを行っています。もし、頭が良くなるというのなら、そのうち凄いことになると思います。まぁ、ありえないと思いますが・・・。
ピアノをやっていても、文章を読んで理解する力は付きませんし、暗記する方法も身に付きません。私は、幼少のころから暗記術で海馬を鍛えるべきだと思っていますが、それも出来ないでしょう。
ピアノは脳トレにはなると思いますが、勉強ができるようになる(頭がよくなる)ために行うのは間違っていると思います。ピアノに関しては勉強にはほとんど影響を与えないのではないでしょうか。
短距離走で速くなるためには短距離で限界のスピードで走る必要があります。ゆっくりと長距離をどれだけ走っても、確かに足の筋肉を使いますが絶対に速くはなりません。ピアノもそういうことだと思います。確かに頭を使い脳が活性化されるでしょう。しかし、勉強とは頭の使い方がまるで違います。
当たり前のことですが、勉強が出来るようになりたければ、勉強をするべきです。速く効率的に記憶を身につけようと思えば、そうするべきです。
決して、脳トレではありません・・・。
「ん?勉強界のボルトになりたいのですか?」
だったら、超高速に暗記をし、常にスピードの限界に挑戦していかなければいけませんね。海馬は短期記憶を高速に行うための筋肉のようなものですから。