田川の塾|四.自立の先は他人を想うこと。中学生を教える小学5年生|超効率的勉強法を追求する個別指導の岳伸塾(ガクシンジュク)」

四.自立の先は他人を想うこと。中学生を教える小学5年生

「自立した学習者」の先にあるものは「自分のことだけを考えるのではなく他人のことまで考える」ことだと考えています。北九州高専に合格後、「同じ学校の友達を教えたい」「今までお世話になった分、タダで教えに来ます!」と言って高校から大量の宿題を出されているのにもかかわらず、週に1~2回程度通塾してくれる生徒。学年トップで「同じ中学校の生徒なら気が向いたときに教えます」と言ってくれた生徒。仲良しの後輩に勉強を教えてくれる生徒。岳伸塾には、このような生徒がたくさんいます。その中でも、ちょっと可愛らしくて驚きの光景も見られるのです。

まだ、小学5年生の女の子ですが、先生をしてくれているのです。昨年の4月から数学を中1の生徒たちと一緒に始めたのですが、半年で他の中学1年生達を大きく引き離し、中学3年分の計算を全てマスターして、さらに関数基礎、資料問題、確率問題までできるようになったのです。この内容は分かる人には分かると思うのですが、数学の福岡県高校入試の大問1の内容すべてをマスターしたことになります。しかも、宿題を1度もさせていません。同じように中学1年生と教えたのですが、一人だけごぼう抜きしたのです。受験生たちと数学の大問1だけで勝負させたところ、見事に満点を取り同率トップになりました。

ちなみに周りの中学1年生が出来ないというわけではないのです。なぜなら、周りの中1も学年トップの子や学年2位経験者だからです。これには明確な理由があるのです。他の生徒たちはみんな中学生で一人だけ小学生という点です。小学生には中間や期末がありませんので、数学だけに集中することが出来たからなのです。この超高速で学ぶ方法を岳伸塾では「一点突破勉強法」と言います。「何だそんな事か・・・。」と思われるかもしれませんが、この勉強法はかなり効果が高いのです。たいていの小学生は同じ方法で一気に中学生を追い抜いていきます。中学生は少し悔しい思いをするかもしれませんが、ある意味仕方ないのです。(この勉強法は簡単に取り入れることが出来ますので、是非やってみてください)

ただ、この女の子の凄いところは「先生をやりながら勉強をしている」点です。自分の勉強だけをやっていたわけではないのです。他の生徒を教えている間は当然、自分がしたい勉強が出来ません。そんな状況にもかかわらず、数学の大問1だけですが受験生と対等に渡り合う力を身につけてくれたのです。

岳伸塾では先生をしてくれる生徒には割引をしています。しかも、1時間850円分の割引しています。凄いときには自分の月謝を無料にして、さらに姉の分の月謝まで割引してもらうということもありました。そして、さらにその子が立派なのは割引してもらった分で自分の好きなものを買っているのではなく、親孝行が出来ることに喜びを感じて、自分からしたいと言うところです。なんだか心を打たれますよね。

こんな調子で当塾では元生徒だった卒業生や、生徒をやりながら先生をやってくれる生徒が少しずつ増えていったのです。僕の教え子が先生をしてくれる方が、塾の勉強のやり方も分かっていますし生徒の中で信用のある真面目な生徒だけを選りすぐることが出来ます。現役で学んでいますし何度も教えて得意になった分野においては国立大学のアルバイトにも負けないと思っています。この女の子は今、数学大問1のスペシャリストなのです。数学の大問1の範囲を教える時はできるだけ彼女に任せるようにしているのですが、彼女が今いる小学生達に中学数学を教え、その教えられた小学生の生徒は中3の計算を普通に解いています。また、その中から先生が生まれるのではないかと思っています。(小学生が小学生に中学の内容を教えて先生が生まれるなんて本当に面白い塾になってきました・・・。)

僕は塾の経営をするようになって、広告で必要な「行動心理学」を学びました。どのような言葉がどのように人々の行動に影響を与えるのかというような内容です。その中で、ファンの作り方についての記載がありました。研究データによると「お客様に与えるだけ」の場合よりも「お客様から与えられる」場合の方がその会社へより強い愛着がわくということが分かったのです。つまり、そのお客様に「特別な割引やサービスをする」というのもファンになるきっかけになるのですが、お客様の声を書いてもらったりなど、お客様がその会社のために行動してくれればくれるほど、そのお客様はより強いファンになってくれるということなんです。その理由はその会社のために行動を起こせば起こすほど、好かれていると思うからなのです。人間は良く思われているところに足を運びたくなるのです。

「愛情を深める行動」についても同じです。「与えるばかりでは駄目」「お互いに与え合う関係がより愛情が深まる」というのです。子どもに愛情を注ぐことはほとんどの親御様がやられていると思いますが、子どもからどれだけ与えてもらっているでしょうか?家族のために何かお手伝いをしていますか?子供が家族のために親孝行をすればするほど、その子供は家族から愛されていることを感じ、そして子供自身もより深く家族を愛するようになります。

僕はこのことを知ってから勉強を通して生徒が親孝行ができる仕組みを常々考えるようになりました。それが、先生をしてくれた生徒に1時間850円の割引をするというのもなのです。先生をしてくれている小学生5年生の彼女は塾に「良い評判」「良い雰囲気」「労働力」を与えてくれます。その代わりに、塾からは彼女に割引を与えます。そして、彼女は家族に割引で「収入(割引)」を与えます。僕自身、彼女のファンですし彼女も塾がファンです。そして、親孝行をして家族でも愛情が深まるのです。勉強ができるというだけで親孝行なことですが、お互いに与え合う理想的な仕組みだと僕は思っています。

生徒が先生をしてくれることの良い点はそれだけではありません。教える側の苦労も経験することが出来、先生たちの痛みも少しだけ理解できるのではないかと思います。また、塾生同士でも知識を与え合うことで「友情を育む」ことができ、学校の枠を越えて友達を作ったり、生徒同士のコミュニケーション能力の向上にも役に立っています。また、できない子を助けることは思いやりの心を育てる良い機会になると考えています。

教えられる側の生徒もまた「人としての成長がある」のです。受験生で入塾してすぐに「まさか小学5年生から教えてもらうとは」と笑いながら、教えてもらっていた生徒もいれば、小学生から教えたもらうなんてプライドが許せないと断る生徒もいます。もしかしたら、家に帰って「先生ではなく小学生から教えられた」と愚痴る生徒もいるかもしれません。僕は、そんな「プライド」や「愚痴」は人間の成長を妨げるだけで決して良くないと思っています。自分の成長のためには変なプライドを捨て、誰からでも謙虚な態度で学びを乞う精神を持つべきです。

僕は塾長をしていますが高卒です。決して自慢できるような「学歴」は持ち合わせていません。高校卒業後はやりたいことが定まらず、色々な仕事を経験しました。年齢が高くなるにつれて、年下の人が正社員をしていて、その人から仕事を教えてもらったりすることも多々ありました。それが上司が男性の場合も女性の場合も当然あります。プライドなんて何の役にも立ちません。年下の上司に頭を下げ敬語を使い指示に従い働きました。当然、毎日「悔しい」と思う気持ちはありますが、それができないと社会で生きていけないのです。

そういった経験からも「年下」だからとかそんな理由で拒むのではなく、「誰からでも謙虚な姿勢で学ぶ精神」を養う方が社会に出たときに役に立つと確信しています。もし、それで悔しい思いをしたのなら、その悔しい思いをバネにして、自分自身の成長の糧にしてもらいたいと思っています。

社会に出たことを考えれば、教える側にとっても重要な経験をすることができると考えています。将来、仕事を教えてもらうばかりではありません。仕事を任されある程度、自分で考えてそれをこなしていかなくてはなりません。1~10まで指示をくれないでしょう。当然、仕事を教えなければならない時もあるでしょう。その人が同性であったり年下とは限りません。「異性」かもしれませんし、「年上」かもしれないのです。勉強の内容は将来どこで役に立つのか分からないものばかりです。もしかしたら、全く役に立たないかもしれません。だからこそ、勉強する過程でたくさんの子供たちと助け合ったりしながら様々なことを学び、成長していってもらいたいと思っています。

「先生」をすることは将来、社会へ出たときの予行練習にもなると思っています。この学び合いには学力向上だけでなくそれ以外の生きていく上で重要なことを学ぶことができ「人としての成長をもたらす」と考えています。