田川市の学習塾。超効率的勉強法を追求する岳伸塾

記憶の性質② 長期記憶とエビングハウスの忘却曲線。

前回は短期記憶が大切だと言いましたが、短期記憶の状態では、すぐに忘れてしまいます。これでは学習の役に立ちません。短期記憶を繰り返し、長期記憶へ移行させる必要があります。ここでは、短期記憶から長期記憶にするための

その際に特に意識してもらいたいのが、学習の「タイミング」です。

下のグラフは忘却曲線と呼ばれるものです。「エビングハウスの忘却曲線」は記憶や勉強法に関連する著書の多くで紹介されるほど有名なもので、効率的な反復のタイミングのヒントに利用されています。(2つのグラフの内、上のグラフがオリジナルのもので、下のものはエビングハウスの忘却曲線をもとに私が作成したものです。)

このグラフを読み取るのに節約率の理解が必要です。節約率とはその名の通り、再度、覚えるのに節約できる割合の事です。人は一度記憶したものを20分後には約半分の時間で覚えなおすことが出来るという意味です。どれだけ、記憶を保持しているかという意味ではありません

忘却曲線から学べる重要なことは以下の3つです。今はこれだけを頭に入れてください。

  1. 「記憶した直後、ものすごいスピードで忘却が起こる」
  2. 「節約率は20%程度まで急下降するが、以降は忘却のスピードが緩やかになる」
  3. 3回(1日ごとに)、覚えなおすと忘却のスピードはかなり緩やかになる」(分散学習の必要性

1.「記憶した直後、ものすごいスピードで忘却が起こる」という学びは非常に大切です。復習の最も大切なタイミングは直後なのです。横の時間軸を見てもらいたいのですが、20分後では復習のタイミングとしては遅すぎるのが分かります。覚えなおすのにかなりの労力が必要になります。私は30秒から数分後までが勝負だと思っています。(→勉強法:超高速回転で後述)

2.「節約率は20%程度まで急下降するが、以降は忘却のスピードが緩やかになる」と言う学びは、1度、記憶したものは長期に渡って完全に忘れることはないということです。せっかく苦労して勉強したのに、忘れてしまって後悔することもあるかもしれません。そして、これでは「勉強をしている意味がない」と思ってしまいます。しかし、それは違います。しっかりと私たちの脳は記憶してくれています。ただ、うまく記憶を取り出せないだけなのです。どれだけ復習をサボっても次回復習をするときは2割程度時間を節約できます。ですから、「1度でも記憶してしまえば、常に前進している」と思える様になりましょう。自分の脳はしっかり確実に学習をしてくれているのです。

前向きな気持ちを持つことも大切ですが、ここではもう一歩踏み込んで考えて見ましょう。節約率に注目してください。1度目の記憶の時、1日経ってしまえば、再度復習に要する労力は1ヶ月とさほど変わりません。つまり、ほとんど忘れてしまっているのと何ら変わらないのです。出来る限り負担が少なく学習しようと思えば、2度目の復習は1日後では遅すぎるのです。

3.「3回(1日ごとに)、覚えなおすと忘却のスピードはかなり緩やかになる」と言う学びは分散学習の必要性を教えてくれています。テスト勉強で一夜漬けをする人も多いかと思いますが、グラフの記憶完了初日と同じような結果を辿り、長期的な記憶としては残りづらいのです。(真面目に学校で勉強をしていれば最低1回目の学習はすでにしているはずなので、一夜漬けでも復習1回目のグラフに近いものになるかもしれません。)

また、復習が1回目、2回目、3回目と忘却のスピードが著しく緩やかになっているのにも注目しましょう。3回目の復習で1ヶ月後の節約率は90%近くまで忘却を抑えられているのです。節約率で分かるのは、次に記憶するための時間の節約割合です。3回目以降は9割程度節約する事ができる。つまり、最初に学習に要した時間に比べ、10倍速で復習が出来るというのがこのグラフから分かるのです。

それから、「なぜ、エビングハウスは3回の復習までのグラフを発表したのでしょうか?」

それはグラフを見ても分かるとおり、もっとも急激に忘却が抑えられる回数だったと推測されます。もし、復習4回目(4日後)以降があったとしても大きなグラフの伸びは期待できません。既に90%に近いのですから。

ですので、復習は必ず行いましょう。1回の学習(復習しない)は最悪。復習は3回目まで記憶の保持が急激に高まるので、復習は毎日行い、3日間続けましょう。「復習の3日間が鬼門」です。だからこそ、節約率が下がる前に復習を3回行いましょう。節約率が80%前後で、毎回復習が出来れば、約5倍速での復習が可能です。「記憶が新鮮なうちに復習をすれば、とても楽だ」という経験を何度も積むことが大切です。4回目以降は1ヶ月後でも、最初の10倍速以上のスピードで学習が出来るようになりますので、考えているよりはずっと楽なのです。欲を言えば、時間をおいて復習を4回以上出来るとさらに記憶は高まっていくでしょう。

  1. 覚えた直後に復習する。
  2. 覚えた日に数回、簡単に復習をする。
  3. 覚えてから3日間は毎日復習をする。(ここまでは必ず乗り切る)
  4. あとは、間隔を空けて、数週間後、数ヵ月後、自分のタイミングでの復習を・・・。

<もっと考察>

もっと考察のコーナーは時間に余裕がある人だけが読んで下さい。この記事に対するより深い考察(余談、独り言)です。

Q1.ネット上に流れているエビングハウスの忘却曲線は嘘なのか?

おそらく嘘です。「20分後に42%忘れる。1時間後に56%忘れる。1日後に74%忘れる。1週間後に77%忘れる。1ヵ月後に79%忘れる」と言うのは日本人がビジネスで使いやすいように事実をねじ曲げて言い出したのが始まりかと思われます。私も調べるまではこの情報があまりにも多いので真実であると思い込んでいました。しかし、1回の学習で無意味記憶を1ヶ月間以上20%も覚えていたら、人間の知識はとんでもないものになります。私は自分に不要な知識でかつ無意味記憶だとしたら、1ヶ月後にはほぼ100%忘れる自信があります。このグラフを推測しても分かるとおり、1年経っても10%くらいは覚えているのではないでしょうか?調べてみたところ、この割合は節約率だと言う事です。しかも、英語圏を調べてみると、エビングハウスの忘却曲線は日本ほど取り上げられていないのが分かります。文献は英語圏のほうが多いはずなのにです。おかしいと思いませんか?日本でこれほどまでにエビングハウスの忘却曲線が取り上げられているのは、嘘の情報のほうがビジネスにとって都合が良かったのかもしれません。しかも、分かりやすいし、インパクトもあります。オリジナルの文献は英語ですので、調べる人もなかなかいないでしょう。

Q2.復習のタイミングは1日おきがベストなのか?

この実験では1日おきに3回復習をしているのでそれ以上のことは分かりません。ベストかもしれませんし、ベストでないかもしれません。3回の復習で1ヶ月後の節約率が90%程度あるので、十分な結果が得られるはずです。要は節約率の問題です。節約率が大幅に低下をする前に、復習をするべきです。そのほうが、楽に記憶が出来ます。記憶完了初日に何度か復習を繰り返し、2日目以降の復習で可能な限り節約率を下げないようにするのがポイントです。やり方は後述します。

著書によっては、エビングハウスの忘却曲線から、1日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後など最も効率のいいタイミングとしていますが、1週間後、2週間後、1ヶ月後などの節約率が分からないため、適切かどうかの判断は出来ません。自分がしっくり来るタイミングで良いと思います。効率のよいタイミングを自分自身で見つけましょう。

Q3.本当に無意味記憶での実験なのか?

wikipediaの情報によるとエビングハウスの忘却曲線は「子音・母音・子音から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた」とあります。まず、アルファベットであること、少なからず英語を知っている人間にとって、これには既に意味があります。また、「子音・母音・子音」という関係性を持たせているため、音に変換する事もできます。たとえば、上の羅列であればリット、ペック、タスなど。人によっては、覚えようとするとき自然に何かと関連付けをして覚える可能性があります。もし、完璧な無意味記憶での実験を試みようと思えば、母国語以外のものにし、被験者にとって全く意味がないものにしなければなりません。

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